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ポルトガル語の発音のコツ8つ。きれいな発音じゃないと伝わらない?

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ポルトガル語発音のコツ

ぼくの1年目のポルトガル語の勉強はひどく非効率的でした。ポルトガル語の勉強を始めるのなら、自分の発音がきれいかどうかをまず確認するとよいでしょう。

これは必ず一番最初にやるべきだと今は思います。

というのも発音のきれいさはスピーキング、リスニング、リーディングの3つの能力に直接関係してくるからです。

個人的な体験ですが、ブラジルに住んで1年が経過したときに、自分のポルトガル語が上達していないと感じていた原因はまさに発音でした。

どんなに本で勉強して単語や文法を覚えても、正しい発音ができていないとネイティブには伝わりません。理解してもらえなければ、自信をなくしますし、モチベーションも下がりますよね。

既に暗記して知っている単語でも聞き取れないことも多かったです。すなわち自分の中にない発音は聞き取れないし、伝わらないんです。

まだブラジルにいたときに、たまたまサンパウロ大学に通うブラジル人に発音だけを教えてもらう機会が1カ月ほどありました。この記事はその時に教えてもらった内容です。

その通りに発音練習をしたら自分のポルトガル語の発音が格段によくなった実感があったので記事にしました。



「R」の発音

単語例
coração (コラサゥン)
natureza (ナトゥレザ)
entretanto (エントレタント)
agradecer (アグラデセル)
maravilhoso (マラヴィリョゾ)
praticar (プラチカール)
igreja  (イグレジャ)

かっこの中はなるべく正しい発音をカタカナにするとこんな感じになるという意味で載せています

英語でもよくある「L」「R」の違いです。「L」は基本的に普通のラリルレロで良いです。

じゃあRは何が違うのかというと舌の力を使います。舌の力を使いながらラリルレロと言うイメージ。

一番ネイティヴに近いのはヤクザとかが言う(実際今の時代にまだ使ってるのか分からないけど)“オラァァ”というときの舌の使い方です。

その時に舌を振動させながら、ラが重なるように発音されますよね。子供のころにラのようなルのような中間の音でルルルルルル・・・・と舌を連続で振動させたことはありませんか。

実はあの舌の使い方がポルトガル語の「R」に近いんです。

そのようにcoraçãoを発音するとコラララサゥンみたいになります。これで何回も発音し慣れさせるといいです。最終的には舌を振動させる直前で止めながら発音するのがネイティヴに最も近いとのことでした。

ポイントは舌の力を使うことですが、実は日本人はこれが苦手です。なぜかというと日本語の発音は極めて単調で舌の力などほとんど使わないからです。

ですので正しい発音が分かったからできるようになる訳ではなく、必ず意識して何度も発音し練習し舌に慣れさせることが重要です。

慣れれば自然に正しい発音でできるようになりますよ。


「V」の発音

単語例
viver (ヴィヴェール)
voz (ヴォズ)
vida (ヴィダ)
havia (アヴィア)
vento (ヴェント)

これはたぶん英語と同じですね。下唇を上の歯で噛むようにしながら発音すればよし。


「ci」の発音

単語例
experiencia (エスペリエンスィア)
capacidade  (カパスィダージ)
precioso (プレスィオーゾ)
suicidar (スイスィダール)
especial (エスペスィアゥ)
suficiente (スフィスィエンチ)
ciencia  (スィエンスィア)

この「ci」の発音もめちゃくちゃ重要です。

一部の参考書にはポルトガル語の発音はローマ字読みと同じと書かれていることもあります。しかし、実際にはそうじゃないものもあり、この発音はその典型ですね。

よってこの発音はカタカナで書くと「シ」ではなく「スィ」が正解。

これが自然にできるかでポルトガル語の本の読みやすさも全然違いますよ。「シ」と発音するよりも上の前歯の後ろ当たりに少しスペースを作って、息を出しながら発音する感じです。

よって「ciencia」という単語は「スィエンスィア」となります。


「Zi」の発音

単語例
vazio  (ヴァズィオ)
cozinhar (コズィニャール)
dizia (ジズィア)
fazia (ファズィア)

「ci」のzバージョンです。よって「ズィ」と発音します。diziaは「ジズィア」になります。「d」で始まるのでローマ字読みだと「ジジア」となりやすいので気を付けてください。「ci」ができれば問題なくできるはず。


「Si」の発音

単語例
possivel (ポッシヴェウ)
explosivo (エスプロズィヴォ)
situação (スィトゥアサゥン)
simbolo (スィンボロ)
prisioneiro (プリズィオネイロ)
visitar (ヴィズィタール)
Ensinar (エンスィナール)

基本的な発音のルールは参考書で確認してください

単語の頭に来るときなどは濁らないので「ci」と同じで「スィ」になります。基本的に全く同じと考えていいです。

特にSituaçãoは日本人が正しく発音するのが最も難しい単語の一つだと思っています。「シチュアサゥン」と呼んでしまいやすいのですが、正しくは「スィトゥアサゥン」です。

「シ」ではなく「スィ」で、「チュ」ではなく、「トゥ」です。このようなところが単純なローマ字読みとは少し違うので正確に発音できるようにするといいでしょう


「tra」の発音

単語例
encontrar (エンコントラール)
estrada  (エストラダ)
atraves  (アトラヴェス)
estragar (エストラガール)
trabalhar (トラバリャール)
concentrar (コンセントラール)

基本的な発音は「トラ」なんですが、「ト」「ラ」の間の間隔を極めて短く発音するのが正しいです。

「R」の発音でやったように、「t」の音を発したらそのままの勢いで素早く舌を震わせながら「ra」を発音し「トラ」と読む感じ。

一部の参考書には「tra」で一音節で発音すると書いてあります。それを正確に再現するのが重要です。


「j」の発音

単語例
junto (ジュント)
ajudar (アジュダール)
justo (ジュスト)
sujo (スージョ)
tijolo (チジョロ)
objetivo (オブジェチヴォ)

この発音でよく指摘されたのが「d」の音が混ざっているということでした。

最初それを聞いたときは、「d?何を言っている?」と思いましたが、ブラジル人には違う音に聞こえるらしいです。

つまり「junto」だったら「ju」の間が「jdu」のような発音になっているとのこと。しかし正しくは「ju」のみで「d」の音が混ざらないようにすべきだそうです。

カタカナでいうとダヂヅデドの音が全く混ざらないように発音します。「j」の音で最初から最後まで行く感じです。普通の日本語のカタカナで「ジュ」と読むとこれはすでにdの音が混ざっています。もっと純粋に「j」だけで発音します。

すみませんが、これ以上説明がうまくできません。


「g」の発音

単語例
agir (アジール)
ginasio (ジナシオ)
vigiar (ヴィジアール)
geralmente (ジェラゥメンチ)
tigela (チジェラ)
refugio (ヘフジオ)

この発音を「j」の後に持ってきたのには理由があります。

実はこれらは前項の「j」と同じように発音するそうです。全く同じ発音でいいらしいです。

つまり、例えば「agir」は「アジール」と読むのですが、「d」の音はなるべく入らないようにします。 「アジュィール」、これをもう少しさらっと言って「アジール」にする感じ。

「d」ではなく「j」の発音を意識するといいでしょう。


その他の発音

単語例
substancial (スビスタンスィアゥ)
substituir (スビスチトゥイール)
subsolo (スビソロ)
arroz  (アホイス)
rapaz (ハパイス)
trouxe (トロウセ)

その他の変わった発音を上にいくつか挙げました。

上の三つは、ポルトガル語ではなぜか、母音がない場合に「i」の音を弱く入れることがあります。よって3つとも「スビ」となっていますね。

電子辞書で発音を聞いてみたところ、電子辞書もそのようになっていました。

「arroz」と「rapaz」は普通に読んだら「アホース」と「ハパース」ですが、正確には「―」が「イ」に変わります

なぜかはわかりません。
ブラジル人に質問してみたことがあるのですが、わからないと言われました(笑)。

最後の「trouxe」は「trazer」の完全過去形だが、普通に読むと「トロウシェ」になりそうですが、正確には「トロウセ」です。