ポルトガル語はの音声やラジオを聞いていると言語としての流れや響き自体はそんなに綺麗じゃないなと思うことがあります。
ポルトガル語よりもスペイン語とか英語のほうがなめらかなで流れもいいことが多いです。
しかし、中にはポルトガル語でもうっとりするほど美しい響きの言葉もあるんです。
ということで今回はポルトガル語のいい言葉、美しい言葉、響きがいい言葉(単語またはフレーズ)を紹介します。
私の独断と偏見に満ちていますが、その美しさを一緒に感じて頂ければ幸いです。
中にはブラジル人が好んで使うものもあり、ブラジルに行くときには知っておいた方がいいですよ。
アルファベット順(ポルトガル語:読み)です。
ポルトガル語のいい言葉、美しい言葉
Abraço:アブラッソ
ひとつ目は「abraço」です。
これは「抱擁」という意味の名詞です。「abraçar:アブラサール」がもともと「抱きしめる」という意味の動詞です。
「Abraço」は「抱擁」から連想される「友情」や「愛情」を示すのに使われます。口頭の会話やメッセージの最後にも、ブラジル人はよく「Abraço」とつけることがあり、【別れの挨拶+友情表明】のように使われますよ。
響きも美しいですよね。
Alegria:アレグリーア
最初に聞いたときに、なんてきれいな言葉なんだ!と思った単語のひとつです。
「Alegria」は「喜び」とか「陽気」「楽しみ」といった意味の女性名詞。
響きがいいだけでなく、言葉の意味もポジティヴで素晴らしいのでぜひ覚えてみてください。
Amor:アモール
いい言葉は、美しいものなのだなと思わされます。
「Amor」はポルトガル語で「愛」という意味の男性名詞。
また「te amo」といったら、「愛してます」という意味で有名です。
Beleza:ベレーザ
「Beleza」は「美」とか「美しさ」という意味の女性名詞です。
この単語はブラジル人が口頭でよく使うんです。
「beleza?」と疑問形で聞かれることもありますし、「tudo bem?」と聞いたら「beleza!」と返ってくることもあります。
日本語でどういう言葉が最適なのかは難しいところですが、疑問形なら「調子はどう?」、「beleza!」と返されたら「最高だよ!」みたいなイメージです。
「美しさ」という意味の「beleza」をこんな使い方するなんて、ブラジル人はなんてロマンチストなんだと思いますね!
Caminho:カミーニョ
「caminho」はポルトガル語で「道」という意味です。
これは物理的な「道」「道路」という意味でも使えますし、「選択肢」とか「手段」「方法」のような抽象的な、または精神的な意味での「道」という意味でも使えるのです。
Todos os caminhos levam a Roma.
すべての道はローマに通ず
De nada!:ジ・ナーダ!
ブラジルに行ったら「de nada!」と言われることが本当に多いです。
「De nada」は日本語では「どういたしまして」という意味です。
しかし、私がブラジルに行って驚いたことの一つに、ブラジル人は「obrigado(ありがとうの意)」に対して「de nada」と返すことが非常に多いことです。
なぜなら、日本人は日本語で「どういたしまして」なんてほとんど言わないじゃないですか。
何も返さないこともざらにありますよね。
ブラジル人は頻繁に「de nada!」と口にします。
そういわれるとなんだか、「obrigado(ありがとうの意)」という言葉をしっかりと受け止めてくれているようでうれしかったりするのです。
民族性の違いは言語にも如実に現れるんですね。
Deus abençoe!:デウス アベンソーイ!
英語で言ったら「God bless you」です。
つまり「神の加護がありますように」という意味です。私もブラジルで言われたことがあります。というか普通にたまに言われます。
もともと「abençoar:アベンソアール」は「祝福する」という意味の動詞。
ちなみに「bênção:ベンサゥン」は宗教的な意味での「祝福」という意味の女性名詞です。
「あなたに」とか「あなたを」という語を入れたい場合は「Deus o abençoe」とか「Deus te abençoe」となります。
こちらの方が文法的には正確です。
Esperanca:エスペランサ
「Esperanca」はポルトガル語で「希望」という意味の女性名詞。
英語で言ったら「hope」です。
まぁ「hope」も悪くないですが、断然「Esperanca」のほうが美しいですね。
思わず口に出して言いたくなるような響きではないでしょうか。
Fica com Deus!:フィッカ コン デウス!
また「deus(神の意)」が出てきました。
ブラジルもカトリックの国なので、ブラジル人は当たり前のようにこういうフレーズを使うのです。
「ficar」は英語で言ったら「stay」です。
よって「神があなたと共にありますように」という意味になります。
相手の身を案じる言葉なのです。
Felicidade:フェリスィダージ
「Felicidade」はポルトガル語で「幸せ」とか「幸福」という意味の女性名詞です。
いい言葉は響きも美しいのだと再確認できますね!
Lágrima:ラグリマ
「Lágrima」はポルトガル語で「涙」という意味の女性名詞です。
「a」にアクセント記号がついているので、最初の音節を強く読みます。
ポルトガル語の学習者は「涙を流す」という意味で「derramar lágrimas」をセットで覚えるといいでしょう。
Liberdade:リベルダージ
「Liberdade」は「自由」という意味の女性名詞です。
ポルトガル語には「~dade」で終わる語がたくさんあり、すこし変えれば英語の単語になります。この場合は「liberty」ですね。
「Liberdade」はとても言いやすくて私もお気に入りの言葉なのです。
ブラジルのサンパウロには「Liberdade」という区画があります。
そしてそこは有名な東洋人街なのです。
ラーメンやうどん、寿司などの日本食のレストランや、「コアラのマーチ」や「お醤油」が売ってあるスーパーもあります。(めちゃくちゃ高いけど)
日本人の子孫の方々がやっている将棋クラブもあります。
まぁ、日本食のお店といえど、中国人がやっているところも多々あるのですが(笑)。
何が言いたいかというと、過去にブラジルに移住した東洋人が「自由」を求めて苦労したことを思うと、この街に「Liberdade」という名前がついていることが感慨深くおもうわけですね。
Morte:モルチ
「morte」はポルトガル語で「死」という意味の女性名詞です。
いい言葉ではないですが、いい響きだと思ったので入れました。
ブラジル国歌の歌詞の中にも出てきますね。
Desafia o nosso peito a própria morte!
自らの死をわれらの心に挑め!(直訳だとこんな感じ)
Mundo:ムンド
「mundo」はポルトガル語で「世界」とか「宇宙」、「天地」という意味の男性名詞です。
とてもシンプルですっと入ってくる言葉です。
Palavra:パラヴラ
「Palavra」は「言葉」とか「言論」「単語」という意味の女性名詞です。
日本語の「言葉」という意味で普通に使えますが、なんてかっこいい単語なんだ!と思いました。
宗教的な「言葉」とかに対してもよく使う気がします。
例えば「palavra de Jesus」といったら「イエスの言葉」ですね。
聖書でいう「聖句」という感じでしょうか。
Saudade:サウダージ
でました「saudade」!
世界で最も翻訳しにくい単語の7位にも選ばれたことがあるポルトガル語特有の単語です。
その意味は「郷愁、憧憬、思慕、切なさ」などです。
翻訳しにくいと言えど、基本的には「郷愁」でいいんじゃないかなと思います。
「郷愁」よりも少し広い意味でとらえて、自分が今いる景色に「何かが欠けている」のであれば、それは「saudade」なんですよ、きっと。
それは、「恋しい人」でも「故郷の街」でもいいし、「好きな食べ物」でもいいんです。
「時間的」「空間的」両方の意味で離れていたり「欠けて」いれば「saudade」です。
「過去の出来事」や「懐かしい思い出」に思いを馳せたり、異国の地に住んで故郷に帰りたいという想いも「saudade」です。
Verdade:ヴェルダージ
「Verdade」は「真実」とか「事実」という意味の女性名詞です。「真理」という意味でも使えます。
やはり響きがいいこともありますが、ブラジル人は会話の中でもよく使う単語なんです。
例)
Verdade?
本当に?Não é verdae?
そうじゃない?
にわかには信じられないことを聞いたときに再確認する場面や念押しするようなときに上記の使い方をします。
ポルトガル語学習者はぜひ覚えておいてください。
Vermelho:ヴェルメーリョ
ポルトガル語の「色」からは見事「vermelho」が選ばれました(私の独断で)。
「vermelho」は「赤」とか「赤い」という意味の名詞または形容詞です。
「赤」だけで「vermelho」ですよ。どんだけかっこいい言い方なんだ!ってなりますよね。
ちなみに「azul:アズール:青」とか「verde:ヴェルジ:緑」とか「cinza:スィンザ:灰色」とかも候補にはなりましたが、「vermelho」が一番でした(笑)。
まとめ
今回はポルトガル語のいい言葉、美しい言葉を紹介しました。
いずれも響きがいいだけでなく、意味もどことなく儚さや美しさのある言葉たちばかりだったと思います。
また何かあれば追加できればと思ってます。