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ポルトガル語の関係代名詞。用法、使いどころ、ルール、例文をまとめて解説!

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ポルトガル語の関係代名詞
ポルトガル語の関係代名詞

関係代名詞(Pronome relativo)は、名詞を後ろから修飾する場合に使われる代名詞です。

文と文をつなぐ役目があります。

ポルトガル語でもっともよく使われる関係代名詞は『que』です。ぶっちゃけ、迷ったときやよくわからないときは『que』を使っておけば何とかなります。

しかし、他にもポルトガル語の関係代名詞はありますよね。

そこで今回はポルトガル語の関係代名詞とその使い方について簡潔にまとめました。

文によっては『que』以外のものが優先して使われることもあるので、知っておいて損はないでしょう。


ポルトガル語の関係代名詞:可変語と不変語一覧

ポルトガル語の関係代名詞を可変語、不変語の視点でまとめると下表のようになります。

関係代名詞:可変語、不変語別
関係代名詞:可変語、不変語別

可変語(variáveis)不変語(invariáveis)とは先行詞などによって形がかわるものと変わらないものです。

つまり可変語は、修飾する名詞が男性名詞、女性名詞または単数、複数により関係代名詞自体もわずかに変化するのです。

ただし後述しますが、『cujo』は先行詞ではなく、後に来る名詞の性・数に合わせます。

大別すると不変語には『que』『quem』『onde』の3つがあり、可変語には『cujo』『o qual』『quanto』の3つがあります。


関係代名詞の使い方まとめ

関係代名詞を使いどころ別にまとめると下表になります。

関係代名詞 英語相当 先行詞 備考
que that, which, who 人、物 『o que』で「~するもの」という使い方もあり。
quem who, whom 「~する人」という使い方もあり。
onde where 場所 「~するところ」という使い方もあり。
o qual that, which, who 人、物 可変語
cujo whose 人、物 可変語、所有を表す
quanto - 不定代名詞 可変語

いずれも英語が詳しい人なら英語に置き換えると理解しやすいでしょう。


『que』とその代用となる『o qual』の使い方

関係代名詞『que』及び『o qual』の使い方は、大きく分けると以下の二つ。

①『人』『物』を先行詞としての関係代名詞
②『o que』で『~するもの』


『人』『物』を先行詞としての関係代名詞『que』『o qual』

両者とも先行詞には『物』でも『人』でも取ることができます。よって英語の『that』『which』『who』に対応します。

口頭では『o qual』はほとんど使われず『que』を使います。

例1)que
文①:Os rapazes trabalham nesta loja.
文②:Eles são estrangeiros.
文①+②:Os rapazes que são estrangeiros trabalham nesta loja.
外国人の青年たちはこの店で働きます。


例2)qual
文①:Não vi a roupa.
文②:Você está falando da roupa.
文①+②:Não vi a roupa da qual Você está falando.
あなたが言っている服を見ませんでした。

例2のポイントは『da qual』となっている点です。

これはなぜかと言うと、文②の『falar』が『falar de』という前置詞を伴って使われているからです。

そのような場合、次のように

Não vi a roupa a qual Você está falando de.(間違い)

とはできません。前置詞は関係代名詞の前に置きます。

これは『que』でも同じです。

Não vi a roupa de que Você está falando.(正しい)

このように関係代名詞の前に前置詞が来るパターンは結構多いです。口頭ではそこまで気にしませんが、文章では正確に書く必要があります。


『~するもの』という意味の『o que』

『que』に定冠詞『o』を付けることで『~するもの』という意味で使えます。

英語で言うと『the thing that~』または『wtat~』に相当しますね。

O que você está dizendo é certo.
あなたの言っていることは正しいです。


O que eu quero fazer é desenhar uma flor.
私がしたいことは花を描くことです。

また『o que』は『aquilo que』に置き換えることもできます。この『aquilo』の使い方は口語でも文章でも結構出てくるので知っておいたほうがいいです。

Aquilo que você está dizendo é certo.

また『o qual』は基本的にこのような使い方はしません。


『quem』の使い方

quemの使い方

『quem』の関係代名詞としての使い方は以下の2つです。

①『人』が先行詞のときの関係代名詞
②明確な先行詞がなく、「~する人」という意味。


『人』が先行詞の関係代名詞『quem』

『quem』は『人』のみを先行詞として取りますので、英語の『who』に相当します。

また先述したように『que』や『o qual』も『人』を先行詞に取ることができ、『quem』の代わりに使えます。

しかしポルトガル語の文法的には、『人』が先行詞の場合は『quem』のほうが適切だと言われます。

例)quem
文①:O senhor está na escola.
文②:Ele é meu professor
文①+②:O senhor quem está na escola é meu professor.
学校にいる男性は私の先生です。

『quem』も関係代名詞の後文に前置詞を伴う場合、前置詞は『quem』の前に来ます。

例)quem
文①:O pai é pobre.
文②:Ele mora com o pai.
文①+②:O pai com quem ele mora é pobre.
彼と一緒に住んでいる父親は貧乏です。

先述したように『quem」は『que』『o qual』で代用可能です。

O pai com que ele mora é pobre.
O pai com o qual ele mora é pobre.



主語が不明確で「~する人」という意味の『quem』

この使い方は英語の『those who~』に相当します。

また以下の特徴が挙げられます

・先行詞が不在(quemが先行詞の役目)
『a pessoa que』におきかえられる
『aquele que』におきかえられる

このルールを守って文にすればオーケーです。以下例文

例文)
Quem me ensinou a pronúncia de porutuguês é ele.
私にポルトガル語の発音を教えてくれた人は彼です。
A pessoa que me ensinou a pronúncia de porutuguês é ele.
Aquele que me ensinou a pronúncia de porutuguês é ele.


例文)
Eu não gosta de quem se atrasa ao tempo.
私は時間に遅れる人は好きではない。

代用として『a pessoa que』を使うことはあまりないですが、『aquele que』は文章などでよく見かけます。


『onde』の使い方

『onde』の関係代名詞としての使い方には次の二つがあります。

①『場所』が先行詞のときの関係代名詞
② 明確な先行詞がなく、「~するところ」という意味。


『場所』が先行詞の関係代名詞『onde』

関係代名詞『onde』は以下の特徴があります。

・先行詞に『場所』をとる(英語のwhere)
『em que』におきかえられる(英語のin which ≒ where)
『no qual』におきかえられる

以下例文。

例文)
A cidade onde eu moro fica muito longe daqui.
私が住んでいる都市はここから遠くに位置しています。
≒A cidade em que eu moro fica muito longe daqui.
≒A cidade na qual eu moro fica muito longe daqui.


例文)
Eu visitei á escola onde me formei antes.
私は以前卒業した学校を訪問しました。



主語が不明確で「~する場所」と使われる場合

『onde』を『~するところ』と使う場合は以下の特徴があります。

・先行詞が不在(ondeが先行詞の役目)
『a lugar que』におきかえられる

以下例文

例文)
Fico onde sinto que devo.
私はいるべきところに留まります。
≒Fico á lugar que sinto que devo.



所有関係代名詞『cujo』『cuja』の使い方

『cujo』『cuja』の使い方には以下の特徴があります。

・先行詞の『所有』を表す(先行詞はcujo以下のものを所有)
・先行詞は『人』でも『物』でも可
・先行詞を受けて『その~は』と続く(英語のwhose)
性、数の変化はcujoの後ろの名詞に合わせる

以下、例文

Este é o escritor cujo livro é muito lido. (o livro do escritor)
この人はその著書が多く読まれている作家です。
≒ この人は作家です。その著書は多く読まれています。


A casa cujos quartos estão vazios está á venda.
部屋が空いているその家は売りに出されている。

特に二つ目の例文を見てください。
『casa』のあとに『cujo』が続いていると反射的に『cuja』としたくなりそうです。

しかし、『cujo』は続く名詞の性や数に対応させるため『cujos』となっています。(続くquartoが男性名詞で複数形だから)

これは間違えやすい点なので気を付けましょう。

ひとつ目の例文を『que』を使って直すと

Este é o escritor que livro dele é muito lido.

となります。

『cujo』を『que』に変えただけでは『escritor』と『o livro』の関係性が分かりづらいため『dele(彼の)』を挿入しました。(なくても伝わるとは思います)

このように、『cujo』は所有関係を示すのには便利は関係代名詞ですのでしっかりマスターしたいところです。


関係代名詞『quanto』『quanta』の使い方

使用頻度は多くありませんが、不定代名詞を先行詞に取るときに使う関係代名詞です。

不定代名詞とは『tudo』『todo』『toda』『todos』『todas』『tanto』などです。

例文)
Fez tanto quanto podia, mas não conseguiu.
彼は出来る限りのことをしたが、成し遂げられなかった。


Vou dizer tudo quanto eu soube.
私が知ったことを全て話します。

不定代名詞はそもそもそんなに種類がないのでセットで使うということを覚えておけば問題ないでしょう。


関係代名詞を省略することはある?

英語だと関係代名詞を省略して書かないことがありますよね。

ポルトガル語では、文章ではあまりそうしている場合はありません。

しかし、口頭では往々にして関係代名詞がほぼ発音されないことはあります。

よく耳を澄まして聞きましょう。


まとめ

ポルトガル語の関係代名詞について簡潔に紹介しました。

先行詞がある場合とない場合、性や数によって変化する場合など、ポルトガル語に限ったことではありませんが、関係代名詞は難しいです。

最低でも、本稿で紹介されている用法はしっかりと理解して、正確に使えるようにしてみてください。