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ポルトガル語の『cujo』『cuja』の使い方を徹底解説。『所有』を表す関係代名詞。

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ポルトガル語の『cujo』『cuja』
ポルトガル語の『cujo』『cuja』

ポルトガル語の文章を読んでいると時々『cujo』『cuja』という単語を見かけます。

最初は私もこれなんだろう?と思っていましたが、実はこれは関係代名詞なんです。

『cujo』『cuja』は所有を表す関係代名詞でポルトガル語学習者はしっかり理解しておきたいところ。

そこで本記事では『cujo』『cuja』の基本や使い方のルールなどを解説していきます。



関係代名詞『cujo』『cuja』とは?

『cujo』『cuja』は『所有』を表す

『cujo』『cuja』は『所有』を表すときに使われます。

関係代名詞ですので、文と文をつなぐ役割を果たしますが、『cujo』の前の名詞が後の名詞のものを『所有』している関係性において使われます。

次の例を見てください。

O pai cujo filho nasceu.(息子が生まれたその父親)
O pai cuja filha nasceu.(娘が生まれたその父親)
A avó cujo neto nasceu.(男の子の孫が生まれたその祖母)
A avó cuja neta nasceu.(女の子の孫が生まれたその祖母)


出典元:https://duvidas.dicio.com.br/como-usar-o-pronome-relativo-cujo/

例えば、一文目を見てください。

もし、『cujo』を使用しない場合、『o pai~』という文が前提にあり、後半は

O filho dele nasceu.

というひとつの文になります。『dele』は『彼の』という意味で当然『その父親』を示しています。

このように、『o pai』と『dele』は同じ人物を指しているので、その反復を防ぐために『cujo』が使われるわけです。

よって『cujo』はその前後の名詞の関係性を意味として含んでいるということが分かりますね。

また見方によってはこの4つの文の『cujo』『cuja』以下は、前の名詞を説明する形容詞と考えることもできます。

すこし難しい言葉で形容詞的従属節とも言います。

ちなみに『cujo』『cuja』は英語で言うと『whose』に相当します。英語が得意な人ならその方がピンとくるでしょう。


『cujo』『cuja』の基本例文

『cujo』『cuja』の基本的な例文を見てみましょう。

Não gosto de pessoas cujo comportamento é egocêntrico.
私は自己中心的な行動をする人は好きではありません。


Apenas escolherão os alunos cujo desempenho corresponder ao esperado.
彼らは学生たちが期待された通りの履行を伴う場合のみ選択します。
Este é o professor cuja obra foi recentemente publicada.
この方は最近作品が公表された先生です。
出典元:https://duvidas.dicio.com.br/como-usar-o-pronome-relativo-cujo/

2番目の文が少し難しいですね。

『escolherão』は『選択する』という意味の動詞の三人称複数の未来形です。よって『彼らは選択します』となります。

その後に『os alunos(学生たち)』となり、じゃあどういう学生たちなのかということが『cujo』以下にあります。

『desempenho』はここでは辞書通り『履行』としましたが、『パフォーマンス』とか『実践』とか、そういう訳し方でもいいでしょう。


『cujo』は男性名詞、女性名詞、単数、複数に合わせ変化させる

『cujo』のルールは、後につづく名詞が男性名詞、女性名詞、単数、複数に合わせて形を変化させます。

つまり『所有されるもの』に合わせるわけですね。

男性名詞、単数: cujo livro
男性名詞、複数: cujos livros
女性名詞、単数: cuja revista
女性名詞、複数: cujas revistas


Esta é a mãe cujo filho foi premiado.
この方は息子が入賞した母親です。
Esta é a mãe cujos filhos foram premiados.
この方は息子たちが入賞した母親です。
Esta é a mãe cuja filha foi premiada.
この方は娘が入賞した母親です。
Esta é a mãe cujas filhas foram premiadas.
この方は娘たちが入賞した母親です。
出典元:https://duvidas.dicio.com.br/como-usar-o-pronome-relativo-cujo/


『cujo』のあとに冠詞はこない

『cujo』のあとは名詞なので、無意識に冠詞『o』や『a』を付けたくなりますが、これはよくある間違いです。

冠詞は付けません。

イメージとして『cujo』『cuja』のなかに冠詞が含まれていると考えると、そういう間違いは減るかと思います。

間違い例)
O senhor cujo o nome é Pedro.
O senhor cuja a esposa faleceu.
正しい例)
O senhor cujo nome é Pedro.
O senhor cuja esposa faleceu.


【cujo + o】の正しい例
cujo apartamento
cujo nome
cujo filho
【cujo + os】の正しい例
cujos apartamentos
cujos nomes
cujos filhos
【cujo + a】の正しい例
cuja casa
cuja assinatura
cuja filha
【cujo + as】の正しい例
cujas casas
cujas assinaturas
cujas filhas

このように『cujo』は冠詞を含んでいるとすれば分かりやすいですね。

『cujo』の前に前置詞が来ることはある?

あります。

『que』や『o qual』といった関係代名詞と同じように、後ろの文に前置詞を伴う動詞が来る場合は『cujo』の前にも前置詞が来ます。

例)
de cujo
em cujo
a cujo
com cujo
contra cujo


Estes são os políticos em cujas promessas eu acreditei.
これらは私が公約を信じた政治家たちです。
Aquele é o meu primo com cujos amigos não simpatizo.
あいつは俺のいとこだけど、その友達はあまり好きじゃないよ。
Esta é a cozinheira de cuja comida todos gostam.
こちらは皆が好きな食べ物をつくる料理人です。
出典元:https://duvidas.dicio.com.br/como-usar-o-pronome-relativo-cujo/

一文目から従属節の動詞を抜き出すと
『acreditar em』『simpatizar com』『gostar de』となります。いずれも前置詞は『cujo』の前に来ていますね。

正直口頭ではあまり気にしなくても(別に前置詞なくても)伝わりますよ。

ただ文章で書く際は正確に書けるように気を付けましょう。


まとめ

関係代名詞『cujo』の使い方についてみてみました。

基本的なルールをまとめると

・『所有』を示す関係代名詞
・所有される名詞の男性女性形、単数、複数に対応する
・後に続く名詞に冠詞は不要
・前置詞が前に来ることもあり得る

となります。最低限上記のことを理解して正しく使うように心がけましょう。