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ポルトガル語【直説法未来形】まとめ。基本から応用までまとめて解説。

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『~します』『~するつもりです』という未来形はポルトガル語でもよく使います。

英語では『be動詞+ing』や『will ~』というようにポルトガル語にも2種類の未来形の作り方があります。

そこで今回は未来形の応用も含めてまとめて紹介したいと思います。

ポルトガル語の直説法未来形まとめ
ポルトガル語の直説法未来形まとめ



ポルトガル語の直説法未来形

ポルトガル語の未来形の作り方には次の2つがあります。

①『ir』動詞+動詞の原形
② 動詞の直説法未来形を使う


ir動詞+動詞の原形

『行く』という意味の『ir』動詞の後に動詞の原形を置くことで『~するつもりです』という意味になります。

この用法で使う『ir』動詞は基本的に直説法現在形を使います。活用は下表のとおり。

主語 ir動詞の活用
eu vou
você, ele, ela vai
nós vamos
vocês, eles, elas vão


ちなみに『~するつもりです』という時制は『現在』ですよね。

もしこれを過去形にしたかったらどのようにするでしょうか。

つまり『~するつもりでした』としたい場合です。

英語だと『I was going to ~』とか『I was supposed to ~ 』などを使いますよね。

同じように考えると『ir』動詞の完全過去形『foi』を使って、『foi + 動詞の原形』かと思いますが、あまり見かけません。

むしろ『ir』動詞の不完全過去形の『ia』を使って『ia + 動詞の原形』、つまり『irの不完全過去形 + 動詞の原形』という表現は時々見かけます。

有名なパウロ・コエーリョの『アルケミスト』の中では、

Ela nunca ia saber a diferença,porque não sabia ler livros.

という一節が出てきます。

しかし、これを訳すと『彼女は本が読めなかったので、その違いを知ることは決してなかった』という感じになると思います。

『~するつもりでした』というよりは単純に『過去未来形』のような意味合いで使用されているんですね。

従って『~するつもりでした』とピンポイントで言いたい場合は『pretender』を使うといいでしょう。

『pretender』には実は不定詞で『~するつもりである』という意味があります。

Eu pretendi estudar inglês ontem.
私は昨日英語を勉強するつもりでした

という風に使えますよ。

動詞の直説法未来形を使う

もう一つ、メジャーな未来形の作り方が動詞の活用で『直説法未来形』を使用するというものです。

直説法未来形の活用の規則は以下の通り。

主語 -ar動詞、-er動詞、-ir動詞、例)falarの場合 -zerで終わる動詞、例)fazer
eu falarei farei
você, ele, ela falará fará
nós falaremos faremos
vocês, eles, elas falarão farão


ここでポイントは、2列目にあるようにほとんどの動詞は原型にプラスして語尾を付ける、という点です。

また『fazer』『dizer』『trazer』のような『-zer』で終わる動詞は『ze』をとって右列のようにします。

このルールさえ覚えれば、どんな動詞でも直説法未来形の活用形が分かるでしょう。

ちなみに口語では『ir + 動詞の原形』を使うこと圧倒的に多いです。

直説法未来形の例文

幾つか例文を以下に載せました。参考にしてみてください。

Eu vou fazer um bolo amanhã.
Eu farei um bolo amanhã.
私は明日、ケーキを作るつもりです。


Você vai gostar de praia de Rio de janeiro.
Você gostará de praia de Rio de janeiro.
あなたはリオデジャネイロのビーチを気に入るでしょう。
Nesta viagem nós vamos conhecer Recife.
Nesta viagem nós conheceremos Recife.
この旅行で私たちはレシフェを見るつもりです。
Vocês vão partir ás sete horas de São paulo?
Vocês partirem ás sete horas de São paulo?
あなたたちは、サンパウロを7時に出発するつもりですか?

特に最初の例文にある『fazer』の未来形『farei』は、『falar』の完全過去形『falei』と発音的によく似ていて、瞬時に聞き分けることは困難です。

よって口語では、『ir』動詞を使ったほうが分かりやすいと言えるでしょう。

直説法未来形の応用

基本的な直説法未来形はすでに載せましたが、未来形には次のような使い方もありますので一緒に載せることにします。

未来進行形

未来進行形は『~しているだろう』という意味になります。以下例文。

Eu estarei esperando por você quando você virá.
あなたが来るとき、私はあなたを待っているでしょう。

ちなみにこれをもし、普通の未来形にすると以下のようになります。

Eu esperarei por você quando você virá.

これでも意味的には問題ありません。

ただ一文目のようにすることで、『あなた』が来るときにはすでに私は『待っている』状態であり、そこには『継続』の意味合いが付加されています。

もう一つ例を挙げます。

Eu farei horas extra ate nove amanhã.
私は明日、9時まで残業するつもりです。


Eu estarei fazendo horas extra ate nove amanhã.
私は明日、9時まで残業しているでしょう。

一文目は意味合いは『意志』『推測』であるのに対し、二文目は『確定的な未来』及び『継続』が強いのが分かります。

このように微妙なニュアンスの違いを表現する為には『未来進行形』も時には必要なんですね。

未来完了形

未来完了形はその名のごとく、未来のある時点までに『~してしまっているでしょう』という意味になります。

どうやって未来完了形にするかと言うと英語と同じです。

『未来形』+『完了形』です。『未来形』には直説法未来形の活用形にし、『完了形』は『ter動詞 + 過去分詞』ですね。

以下、例文。

Eu terei acabado minha tarefa quando você virá.
あなたが来る頃には私の課題も終わっているでしょう。

となります。

ちなみにこれを単純な未来形にした場合、

Eu vou acabar minha tarefa quando você virá.
あなたが来る頃には、私の課題も終わるでしょう。

となります。これだと課題が終わるのは、あなたが来るのと同じくらいの時間帯に感じます。

しかし、未来完了形の場合は、あなたが来るまでには課題が終わっているはずだということを強調しているのでやはりニュアンスは異なります。

未来形の受動態

未来形の受動態は『~されるでしょう』という意味になります。

以下例文

Eu serei demitido amanhã.
Eu vou ser demitido amanhã.
私は明日解雇されるでしょう。

『未来完了形』と『未来進行形』は『直説法未来形』の活用形を使用したほうがベターですが、未来の受動態は『ir』動詞を使用しても遜色ない印象です。

その場合は『ir動詞 + ser + 過去分詞』となりますね。

まとめ

ポルトガル語の直説法未来形について紹介しました。未来形の作り方は

①『ir』動詞 + 動詞の原形
② 動詞の直説法未来形を使う

ということになります。

またそれ以外で未来形を使用するのは

・未来進行形
・未来完了形
・未来形の受動態

などがありますので、使いこなせれば表現力はアップするでしょう。